義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
ふたりからはラブラブっぷりが伝わってきてむず痒くなってくる。こんなにデレる社長は初めて見た……。
いや、それどころじゃない。両親にしてみれば私たちも喜ぶと思っているのだろうが、私にとっては大問題だ。義兄妹になってしまったら、彼と恋人にはなれないではないか。
聖さんも内緒にされていたらしいけれど、今どう思っているのだろう。
ちらりと視線を向けると、彼はややうざったそうな表情でため息交じりに口を開く。
「だから妙にニヤついていたのか、再婚の話をしたとき……」
「だって嬉しいだろう。六花ちゃんが娘になるんだぞ? お前とも仲よくしてくれているんだし」
すっかりただの父親になっている社長は、なんだか熱い眼差しを私に向けてくる。
「六花ちゃん。これから私のことは〝社長〟なんて呼ばずに、お、お、〝お父さん〟と……」
「訴えてやる」
「なぜ!?」
聖さんから飛び出した言葉に、社長はギョッとしている。
「六花を見る目が気色悪い。迷惑防止条例違反」
「不当すぎる!」
無表情で理不尽な指摘をする弁護士に、異議を申し立てる社長。そのやり取りがおかしくて気が緩み、私も笑いがこぼれた。