義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
雅臣さんに『とりあえず料理をいただきながら話そう』と促され、目の前に並べられた豪華な和会席料理に手をつける。
数種の色とりどりな料理が楽しめる前菜も、旬の新鮮な魚が品よく盛られたお造りもとっても美味しいのに、心の底から感動できない。
母たちの話にも愛想笑いしかできず申し訳なさを感じていると、雅臣さんが少し改まった調子で切り出す。
「本当にふたりが私たちの再婚を認めてくれてよかった。それで提案なんだが、皆で一緒に暮らさないか?」
ぴたりと動きを止めて反応したのは、やはり私と聖さんだ。だって、皆って……!
「私たちも同居するんですか!?」
動揺しまくる私は、聖さんと自分を交互に指差して声を上げた。
聖さんと同居するなんて……それは正直めちゃくちゃオイシイ……けれども! いろいろと問題があるのでは。義兄妹になるとはいえ、一応それなりの年の男女なのだし。
ところが、雅臣さんはなんのためらいもなく「ああ」と頷く。
「私の別荘なら四人でも悠々と生活できるだろう。各々の部屋もあるし、プライベートは守られるから心配いらないよ」
「俺は含まなくていい」
間髪入れずに、聖さんがぴしゃりと言い放った。やはり彼は一緒に住む気はないらしい。