義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
クリスマスシーズンの軽井沢は、至るところでイルミネーションを見ることができる。中でも、この教会は特にロマンチックだ。
周りは森で、無数のランタンキャンドルが灯っていて明るくきらめいている。しっかり防寒していないとすぐに凍えそうなほど寒いが、たくさんのランタンの灯りが心を温めてくれる。
とても大きなクリスマスツリーもあり、とにかく綺麗で幻想的だ。人気のスポットだが時間が遅いせいかそこまで混雑はしておらず、落ち着いて楽しめる。
聖さんと、こんな恋人の聖地みたいな場所に来たのは初めてで、私は今さらながらドキドキしている。が、隣を歩く彼と共に吐き出すのは、白い息と気の抜けたような声。
「まさか、父さんの再婚相手が雪乃さんだったとはな」
「青天の霹靂ってこういうことなんだね……」
いまだに現実味がなく、ぼんやりとした調子で話す私たち。聖さんは、ゆっくり辺りに視線を流しつつ言う。
「誕生日も、夜は皆で祝うことになっちゃったな。早めに仕事終わらせるようにするから、食事の前に出かけようか」
そう、先ほど雅臣さんは『六花ちゃんの誕生日も皆でお祝いしよう!』と盛り上がっていて、さすがに〝聖さんとふたりがいい〟とは言えなかった。