義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
広々としたリビングダイニングは木製のインテリアが多いナチュラルテイストで、入った瞬間に居心地のよさを感じた。無駄なものがなくすっきりとしているところが男性らしい。
おそらく書斎もあるのだろうが、リビングの本棚にも難しそうな法律関係の本が並んでいる。
「やっぱり弁護士様だね」
「そうです。家庭教師じゃありませんよ」
尊敬しつつ当たり前のことを言うと、ペニンシュラキッチンで飲み物を用意している聖さんが、いたずらっぽく口角を上げてみせた。
しばらくして、甘い香りが漂ってくる。リビングのローテーブルに置かれたのは、私の好きなホットココア。聖さんも意外にも甘党なのだ。
「ココアだ~。ありがとう」
「ん。こっちにおいで」
グレーのカウチソファに座った聖さんは、自分の隣をぽんぽんと叩く。え、彼氏ですか?と錯覚しそうになる。
ドキドキしっぱなしの私は遠慮がちに近寄り、言われた通り隣に腰を下ろした。ただ、彼との間には微妙な距離がある。自分の部屋ならもっとくっついて座っているのに。
……えぇと、どうして今ここにいるんだっけ?
大事な目的について、改めて考えを巡らせる。が、わかるはずもなくとりあえずココアに口をつけた。