義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
「聖さん、これ……」
「誕生日プレゼント。二十歳目前、おめでとう」
魅力的な笑みと共にお祝いされ、じわじわと喜びが込み上げてくる。まさか、聖さんからケーキ以外のプレゼントをもらうとは思わなかった。
驚きですぐにお礼の言葉が出てこない私に、彼は「鏡見てみたら?」と言って、インテリアに馴染んで置かれているスタンドミラーを指差す。
お言葉に甘えて腰を上げ、鏡の前に立つと、大人可愛いデザインのノンホールピアスが揺れていた。雪の結晶のチャームとクリスタルパールがついたもので、雪の別名である私の名前から選んだのだろうとわかる。
「わ……可愛い!」
「似合ってるよ」
いろんな角度で眺める私の背後から鏡を覗きこむ彼は、満足げに目を細めていた。
「ここに連れて来たのは、これを渡したかったから。当日あのふたりの前で渡したら、なんか冷やかされそうだし」
ようやくここへ来た理由が明かされて納得した。確かに、両親の前でこんなやり取りはできないし、私にとってもありがたい。
感動で胸が一杯になり、ちょっぴり涙目になってお礼を言う。