義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
「ありがとう……! すっごく嬉しい。まさか用意してくれてたなんて」
「これは俺が個人的にあげたいと思ったやつ。六花が欲しいものがあるならそれも買うつもりでいたよ」
聖さん、なんていい人なの。本当の兄でもここまでしてくれる人は滅多にいないんじゃないかな。
二十歳という記念すべき年だからなのかもしれないが、だとしても嬉しい。感激している私に、彼は少々いたずらっぽい表情を向ける。
「ピアスをしたいけど開けられないって前言ってただろ。六花は怖がりだもんな。耳に穴開けるのも、注射も、夜中のトイレも」
「注射とトイレは昔の話ね」
私は歪んだ笑みを浮かべて訂正した。聖さんも、わかっていてあえて意地悪しているのだろうが。
「克服したものもたくさんあるんだから。まあ、なぜかカメラのフラッシュは今もダメだけど」
口を尖らせるも、苦手なものがなくなったわけではない。
とっても不思議なのだけど、私は写真を撮られるとき、フラッシュをたかれるとなぜか動悸や頭痛が起こってしまう。子供の頃からそうで、原因はわからない。普段の生活にまったく支障はないから気にしていないけれど。