義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
二十歳になって何回か試しにお酒を飲んでみたところ、下戸ではないがいつもすぐ眠くなってしまうと気づいた。聖さんにくっつく前に、私の上瞼と下瞼がくっついてしまう可能性大だ。
「私、酔うと即行で寝ちゃうタイプみたいなんだけど……」
「つべこべ言わずに持っていきな!」
ぴしゃりと返され、梅酒の瓶を押しつけられた。強引すぎる。
まあ誘惑するかは別として、今日は大晦日だしちょっとくらいハメをはずしても許されるかもしれないな。
なんて気楽なことを思いながら、私は琥珀色の液体を眺めていた。
『よいお年を!』と小夏の家族とも挨拶をして、四季咲をあとにした。オードブルと一緒に梅酒の瓶も持って。
新居である別荘に戻ると母とごちそうの準備をし、早いうちから家族全員で乾杯をした。ちょっぴり迷ったけれど、私だけはとりあえずお茶にしておいた。
暖炉のある広いリビングダイニングでのんびり飲み食いして、零時目前となった今、私たちはテレビに注目している。その中の芸能人たちが十秒前からカウントダウンを始め、ゼロになった瞬間……。
「ハッピーニューイヤー!」
「あけましておめでとう~!」
新しい年を祝って、テレビと共に明るい声が弾けた。近くのお寺からは、年に一度の重厚な鐘の音が響いてくる。