義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 元旦は家でのんびり過ごし、初詣は二日に行くことにした。

 雅臣さんの運転で一時間ほどかけて向かった生島足島神社は、万物に生命力を与える生島大神と、満足を与える足島大神の二神が祀られている古社だ。パワースポットとしても人気らしく、今日も大勢の参拝客がいる。

 朱い鳥居をくぐって境内を進み、小さな桟橋を渡ると御本社がある。この神社の社や御神橋はすべて鮮やかな朱色で、印象的でとても美しい。

 お参りをしたあと、皆で定番のおみくじを引いた。紙を開いて、まず口を開いたのは雅臣さんだ。


「末吉だ」
「あらー、私も。新年早々気が合いましたね、雅臣さん」
「ああ。末吉くらいがちょうどいいよな、雪乃さん」


 顔を見合わせてのほほんと笑っている両親ふたりは、相変わらずハートが飛び交っていてむず痒くなる。

 ふたりに失笑しながら自分のおみくじを開けた直後、私はギョッとした。


「え! 凶!?」


 驚いて思わず声を上げると、皆があっはっはと笑う。いや、私は笑えないんですが。だって凶だよ?

 軽くショックを受ける私に、雅臣さんが和やかに言う。
< 58 / 265 >

この作品をシェア

pagetop