義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
実はアキちゃん、普段は女物の服を着て女性として生活しているが、身体は男性なのだ。性転換したいほどではないものの、女性として振る舞うのが好きらしい。
この間、三人で会ったときも『どんな振袖にしようかな』なんて言っていたし、きっと可愛くオシャレして来るのだろうと思っていたから驚愕する。
あんぐりと口を開けている私たちに、彼女……いや、彼はあっけらかんと笑う。
「本当は振袖がよかったんだけどね。成人式って親に感謝する日でもあるじゃん? 今まで好き勝手やってきたから、今日くらいは生まれてきた性別の姿にするか~って」
中学時代は完全に男子として生活していたが、周りにカミングアウトし始めた高校時代からは、学校に登校するときは男子の姿で、休日だけ女子の格好をして出かけていた。現在、大学では常に女性の振る舞いをしているそう。
本人が性的マイノリティであることを隠さないようになってから、私たちもそれを受け入れて女友達として接してきた。しかし、やはりご両親の理解を得るまでには少々苦労したらしい。
アキちゃんなりの親孝行なんだなと、小夏と一緒に納得して頷く。すると、彼は意味深な表情で「まあ、理由はそれだけじゃないけど」とつけ加えた。