義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
「やっぱり、りっちゃんには触れたくなる。男の自分が〝愛しい〟って想ってるのがわかるんだよ」
感慨深そうな声で囁かれ、私の胸もきゅっと締めつけられた。
今のアキちゃんは、私に恋をしてくれているただの男の人。そう、ひしひしと感じさせられて。
隅っこにいるとはいえ、周りのお客さんに気づかれて冷やかされる。常連さんが多いし、皆酔っ払っているので勝手に盛り上がっている感じだ。
料理を運んでいた小夏は私たちを二度見し、また顔を赤くして「あんたたち、人の店でいちゃつくんじゃない!」と注意する。
その直後、店内の賑やかな声に交じって、出入口の引き戸がガラッと開く音が響いた。
「いらっしゃいま──あっ!?」
小夏は挨拶をしようとして、なにかにギクリとしたような声をあげた。それに反応した私たちは身体を離し、同時に出入口のほうを見やる。そして目を見開いた。
「聖さん……!?」
店内に入ってきていたのは、冷ややかな顔をした聖さんだった。いつの間にか私が迎えを頼んだ時間になっていたのだろう。なのに、アキちゃんとの話に夢中になってしまっていた。
こちらを凝視している彼がそのまま一歩一歩近づいてくるのに比例して、胸がざわめく。