義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~
「私の恋愛のことで聖さんが干渉するのはおかしいでしょう。これじゃ、いつまで経っても彼氏ができないよ」
「結婚する気のない彼氏なら作る必要はない」
「昭和のお父さんか!」
あまりにも昔気質な発言をするので思わずツッコんでしまった。
聖さんが私を大事にしてくれているのは嬉しい。でも、ずっと付き合いがあったからだとか、義妹だからだとかの理由で干渉されるのはいただけない。
だんだん腹が立ってきて、私の口調も荒くなる。
「聖さんは過保護すぎる。私はもう子供じゃない。自分が付き合う人くらい自分で決められるよ」
「そんなことはわかってる。ひとりの女として心配してるんだ」
いつになく強い調子で食い気味に返され、私は口をつぐむ。
林に囲まれた道で赤信号に差しかかり、車がゆっくり停止した。街灯の灯りが入り込むだけの暗がりの中、彼の真剣な顔がこちらを向く。
「俺は六花を子供だとも、義妹だとも思っていない」
……え? それって、どういう意味?
意外な言葉に目を見張る。かすかな期待の光が胸の奥に宿り、彼の真意を確かめるように瞳を見つめ返す。