別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「肉じゃがコロッケ食べるか?」
「はい!」
「待ってな。旦那もね」


重さんが旦那と呼ぶのを聞いて、陸人さんは頬を緩めた。

いろいろあった今でも、重さんは私たちの結婚を祝福してくれているのだ。

重さんが厨房に戻っていくと、恵子さんが話し始めた。


「凛ちゃん、かわいいねぇ。また連れてきてよ」

「ありがとうございます。凛も肉じゃがコロッケが大好きで」

「うれしいわ。天沢さん、ふたりを頼みますよ」


恵子さんが陸人さんに視線を向けて言うと、陸人さんは大きくうなずく。


「もちろんです。全力で守ります」
「あらまぁ、いい男」


恵子さんに茶化されて、私まで照れくさくなった。


肉じゃがコロッケをたくさんもらった私は、今後の勤務についての相談をして食彩亭をあとにした。

名残り惜しかったけれど、これから毎日のように会えるのだから、会えなかった時間をゆっくり埋めていけばいい。
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