別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
陸人さんがいるときは送ってもらえそうだし。
引っ越しの荷物がほとんどまとまった一月中旬の土曜日。
私は凛を連れて久々に実家に行くことになった。
迎えに来てくれた兄に初めて会った凛は、不思議そうにじっと見ている。
「おじちゃん、誰?」
「おじちゃんか……。お母さんのお兄ちゃんだから、お兄さんって呼び方はどうかな?」
「おじちゃんでしょ?」
それはさすがに無理があるので指摘すると、兄は顔をしかめている。
「陸人はなんと呼ばれてるんだ?」
「先生」
「クソッ。なんか高尚じゃないか。まあいいや。凛、謙一さんでいい」
「凛ちゃんだもん!」
呼び捨てされたのが気に入らない凛は頬を膨らませてプイッと横を向いた。
「早速嫌われてる……」
おかしくて噴き出すと、兄は大きなため息をついている。
離れている間に兄も男の子を授かったのだが、女の子の扱いは慣れていないようだ。
引っ越しの荷物がほとんどまとまった一月中旬の土曜日。
私は凛を連れて久々に実家に行くことになった。
迎えに来てくれた兄に初めて会った凛は、不思議そうにじっと見ている。
「おじちゃん、誰?」
「おじちゃんか……。お母さんのお兄ちゃんだから、お兄さんって呼び方はどうかな?」
「おじちゃんでしょ?」
それはさすがに無理があるので指摘すると、兄は顔をしかめている。
「陸人はなんと呼ばれてるんだ?」
「先生」
「クソッ。なんか高尚じゃないか。まあいいや。凛、謙一さんでいい」
「凛ちゃんだもん!」
呼び捨てされたのが気に入らない凛は頬を膨らませてプイッと横を向いた。
「早速嫌われてる……」
おかしくて噴き出すと、兄は大きなため息をついている。
離れている間に兄も男の子を授かったのだが、女の子の扱いは慣れていないようだ。