別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
涙は封印して笑顔になった母が尋ねると、凛は元気に答えて私と一緒にリビングに向かった。

しかし、ソファで待ち構えていた父を見て萎縮したようで、背中に隠れてしまう。


「お父さん、心配かけてごめんなさい」
「うん……」


父は軽い相槌を打っただけで黙り込んだ。


「お父さん、それじゃあ凛ちゃんが怖がるでしょう?」


母があきれている。


「でも、なんと言えばいいんだ」
「素直にうれしがればいいんですよ。早く凛ちゃんに会いたいとソワソワしてたじゃないですか」


そうなの?

父の態度が冷たく感じたので、怒っていると思ったのに。


「凛。おじいちゃんよ。挨拶できる?」
「嫌ぁ」


母には元気よく名前を言ったのに、父への警戒心は拭えない様子だ。

でも、張り詰めた空気が漂っているので、凛の気持ちもわかった。


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