別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
凛はいつもの調子であっさりした返事をしたが、お母さまの顔がほころんだ。


「こっちはおじいちゃんね」


お母さまはお父さまを紹介する。


「おじいちゃん?」


これまたきょとんとして凛が漏らすと、お父さまはなんとも照れくさそうな顔を見せた。


その後、お母さまが凛のためにホットケーキを焼いてくれた。

相変わらず口の周りにはちみつをキラキラ光らせる凛は、「仲良し!」と大喜び。

彼女は私たちにとって、かわいらしい救世主だ。



陸人さんの実家から帰宅して夕食を済ませたあと、陸人さんが凛をお風呂に入れてくれた。

凛は疲れたようで、お風呂を出た頃にはふらふらしている。

子供っておもしろい。
立ったまま寝そうになるなんて……と思ったけれど、陸人さんも忙しいとそうなると話していたなと思い出した。

診察室のイスに座ったままふと意識が飛ぶらしいのだ。

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