別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
『一分でもいいから体を休めたいという自己防衛手段さ』と笑っていたが、私の記憶が長い間封じられていたのも、心が強くなるまで脳が助けてくれた気がしている。
お母さまの話を聞いてほとんどすべて思い出した。
大男に包丁を振りかざされて背に刺さった瞬間の痛みまでも。
リアルな映像が脳裏をよぎり、ショックで傷痕が疼いたものの、陸人さんが守ってくれると思ったら少し和らいだ。
半分寝ている凛をベッドに運んだ頃、陸人さんもお風呂から出てきた。
「凛ちゃん、寝た?」
「はい。コテッと」
「それじゃあ、心春も入ってきて」
「はい。シャワーにします」
なにげなく言って離れようとすると、腕をつかまれてしまった。
「痛むのか?」
「……少し。いろいろ思い出して、感情が高ぶっているせいですね、きっと」
素直に告白すると、彼は私の腕を引いて再びバスルームに戻っていく。
「陸人さん?」
「俺が洗ってやる」
お母さまの話を聞いてほとんどすべて思い出した。
大男に包丁を振りかざされて背に刺さった瞬間の痛みまでも。
リアルな映像が脳裏をよぎり、ショックで傷痕が疼いたものの、陸人さんが守ってくれると思ったら少し和らいだ。
半分寝ている凛をベッドに運んだ頃、陸人さんもお風呂から出てきた。
「凛ちゃん、寝た?」
「はい。コテッと」
「それじゃあ、心春も入ってきて」
「はい。シャワーにします」
なにげなく言って離れようとすると、腕をつかまれてしまった。
「痛むのか?」
「……少し。いろいろ思い出して、感情が高ぶっているせいですね、きっと」
素直に告白すると、彼は私の腕を引いて再びバスルームに戻っていく。
「陸人さん?」
「俺が洗ってやる」