(続)頼くんを堕とす方法
まだわたしに気づいていない頼くんの名前を呼ぶと、驚いた表情を向けられた。





「莉子?なんで…?てか比呂と帰ったんじゃ…?」



「青野くんとは途中で別れて戻ってきた」



「……で?なんの用?」






我に戻ったのか、いつもの頼くんだ。





わたしを置いて歩き出す頼くんもいつものこと。




でも、今日はそうはさせない。





頼くんの背中めがけて抱きついた。




…もちろん周りには誰もいない。





「莉子…?」



「……嫌い…だけど、いつもそれより好きが上回るの!…どうすればいい?」
< 131 / 392 >

この作品をシェア

pagetop