(続)頼くんを堕とす方法
最後の先公からの長い挨拶にも莉子は涙を流していた。





「頼、俺行くわ。佳子待たせてっから」



「ん。りょーかい」



「…また会おうぜっ」




と笑った比呂に笑い返すと、教室を出て行った。





なんだかその瞬間、初めて卒業を意識した気がした。




思えば比呂とは3年間同じクラスだった。





出席番号の前後がきっかけで仲良くなったんだっけ。




…懐かしいや。




うざい時もあったけど、比呂の存在はデカかった。




「よ、頼くん…っ」
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