【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「……はい。 皆さんとの将来を、真剣に考えさせていただきます」
わたしには、これしか伝えることが出来なかった。 曖昧な答えになっているとは思ったけど、今はそれしか言えなかった。
「カルティナ姫、僕たちはあなたの幸せを一番に願っています」
「……ありがとうございます」
こんなにも優しくしてくれる人が三人もいたら、誰を選んでも幸せになれる気がしている。
「でも……」
「……でも?」
「その幸せを一番に考えているのは、この僕ですよ?」
と、カルナさんはわたしに言った。
「え……?」
「僕はあなたを、ずっと見守って来ましたからね」
ずっと見守ってきた……? どういうこと?
「姫が事故に遭ったあの日から、僕はあなたの無事を祈っていました」
「……そう、なんですか?」
「はい。僕はあなたの無事を、心から願っていました」
話によるとカルナさんは、事故に遭って意識不明になったわたしを、ずっとそばで見守り続けていたらしい。
そんなことも知らないわたしは、今その事実を知った。 だけど、そんなにも心配してくれたんだと思うと、嬉しい気持ちにもなった。