【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
◇ ◇ ◇



「はい。もしもし?」

「あ、カルティナ姫? 突然電話してごめん」

 その日の夕方、わたしにアレンさんから電話がかかってきた。

「い、いえ。 どうかされましたか?」

「いや、別にどうもしないんだけどね。……ちょっと姫の声が聞きたくなってね」

「え、声……ですか?」
 
 アレンさんはわたしに、そう言ってくれたのだ。

「もしかして、迷惑だった?」

「いえ!迷惑だなんて……! そう言ってもらえて嬉しいです」

「なら良かった」

 アレンさんは電話の時、ちょっと声が違うようにも感じる。 元々アレンさんは声が低めで、男らしい感じの声だ。
 そういえばアレンさんから前、こんなことを言われたな……。

【姫には、俺だけのプリンセスでいてほしい。そしたら俺は、姫だけのナイトでいると約束するよ】と。

 あの時わたし、その言葉を言われてものすごく照れた気がする。
 すごい恥ずかしくなったし、なんていうか……。アレンさんの気持ちがストレートに伝わる言葉だったと思うんだ。

「姫、これから会いに行ってもいいか?」

「え。い、今からですか?」

「そう、今から」
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