【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 今から会いたいだなんて言われたら、ノーとは言えないよね……?
 アレンさんはいつでもストレートに気持ちをぶつけてくれるから、わたしはそれに対していつもドキドキさせられてしまう。

「……二人で?」

「二人で」

 二人で会うと考えると、妙に緊張してしまうような……。

「姫、今から姫に会いに行くから、待っててくれるか?」

「……はい。待ってます」
  
 アレンさんはいつもわたしに会いに来てくれる。 もちろんみんなそうだけど、アレンさんは特にわたしに会いたいと思ったら、すぐに会いに来てくれる。
 それはまさに本当に優しい王子様、と言ってもいいよね。

 アレンさんはわたしを、いつも包み込んでくれるように接してくれる。もちろんみんな優しいし、みんなそれぞれ良い所がたくさんあるけど……。
 一番わたしに言葉をくれるのは、多分アレンさんかもしれないな。




「カルティナ姫!」

「アレンさん!本当に来てくれたんですね」

 アレンさんはその後、本当にわたしに会いに来てくれたのだ。

「すぐにでも会いたいと思ったからな」

 アレンさんはわたしの頭を、優しく撫でていく。
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