【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 背の高いアレンさんを見上げると、アレンさんはわたしの頬にも優しく触れていく。

「ありがとう、ございます」

「お礼を言うのは俺の方だって」

 ちょっと照れくさくなり、お礼を言うとアレンさんはそう言い返した。

「……え?」

「いつも会いたいって言っても素直に受け入れてくれるし、断ったりしないだろ? そういう姫の優しい所が、俺は本当に愛おしくて好きだなって思う」

「あ、ありがとう……ございます」

 なんだか……すごく照れる。 こんなことを言われたら、この国の女の子はみんなアレンさんのことを好きになってしまいそうな気がする。
 わたしだけじゃない。この国の女の子は、アレンさんと結婚したいと思ってしまう気がする。 
 現にわたし、近所に住んでいる女の子から【アレンさんをぜひ、紹介してくれないか】と実際にお願いされたくらいだから。

 そのくらい、アレンさんはカッコよくて女の子たちを虜にしてしまうくらいの何かがあるってことだ。
 それは容姿だけじゃなくて、中身もいいから。王子様というオーラを、放っているせいもあるかもだけど……。

「姫、あなたはいつ見ても本当に美しい人だ」
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