【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「そう、でしょうか……?」
アレンさんは本当に、わたしをすごく褒めてくれるな……。
「あなたは俺の妻になるのに相応しい人だ。 やはり結婚相手には、俺を選んでほしい」
その目の輝き、その真剣な眼差し、その美しい顔立ち。全てがわたしを飲み込んでいく。
わたしがアレンさんの前では何も言えなくなってしまうのは、この真剣な表情を知っているからだ。
「アレンさん、わたし……」
他の二人と違って、アレンさんは強引な人だ。 でもそういう所がアレンさんらしくもある。
だからわたしは、アレンの前ではドキドキしてしまうのだ。 アレンさんみたいなちょっと強引な人に、わたしは今まで出会ったことはなかったから。
「……姫、俺は姫を愛してるんだ」
そうやって囁かれた後、わたしの目の前にアレンさんの整った顔が見えた。
「あ……アレン……さん?」
そう思ったのもほんの一瞬で、そのままわたしの唇にアレンさんの唇がそっと触れていくのが分かった。
ーーーえ?
「姫、俺を選んでくれると信じてるから」
わたし今、アレンさんと……。
「じゃあまたな。カルティナ姫」