【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
第十二章 心に決めた人と、その先の人生
「……カルティナ?」
「………」
「おい、カルティナ?」
「……え? あ、お父様……」
その日の夜、夕食を食べているわたしのそばで、お父様が話に話しかけていた。
「どうしたんだ?ボーッとして」
「な、何でもないわ。……大丈夫よ」
イケない……。アレンさんとのキスのことばかり考えてしまって、食事に集中出来ない。
「早く食べないと、せっかくの料理が冷めてしまうぞ」
「そ、そうね。食べましょう」
今日は久しぶりにお父様が家に帰ってきたし、久しぶりのお父様との食事なのに、余計なことを考えてはイケないわ。
「ところでカルティナ」
「何?お父様」
わたしはお父様に視線を向ける。
「あの三人の中の誰と結婚するか、もう決めているのか?」
「……いえ、まだよ」
「そうか。まだ決まっていないのか」
そう、まだ誰と結婚するかは決まってはいない。……でも。
「でも……この人がいいかなっていうのは、なんとなく決まってるんだけど」
「ほお……。そうか」
でもまだ、正直に言うと迷っている。あの二人のどちらと、結婚するか。