【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 お父様のその思いは、いつもちゃんと伝わっている。

「教えて、お父様。 お父様は、どうしてお母様と結婚しようと思ったの?」

「はは……なんだ急に?」

 ずっと聞きたかった。お父様がどうしてお母様を選んで結婚したのか。

「ずっと気になってたの。お父様がお母様と結婚した理由がなんなのか」

「……そうか、お前には話してなかったな。母さんと結婚した理由」

「教えてくれる?」

 お父様とお母様が結婚しなかったら、わたしは産まれてなかった訳だし。……そう思うと、お父様とお母様には感謝しかない。

「父さんと母さんの最初の出会いは、とあるカフェだったんだ」

「カフェ?」

「そうだ。その日はカフェはすごく混んでいてね、座る所がなかったんだよ。相席みたいな感じになってしまった感じでね。 その時俺の目の前に座ってきたのが、母さんだったんだよ」

「そうだったの?」

 初めて聞いた、お父様とお母様の出会い。カフェでの相席というのが、初めての出会いだったんだ……。

「母さんはその時から本当に美人でね。一目惚れだったんだよ、父さんの」

「一目惚れ?」

 そうなんだ、意外……。
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