【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「父さんから母さんに、話しかけたんだよ。母さんは本を読んでいたから、何を読んでるのかって」

「それで?」

 お父様から聞くお母様の話は、とても新鮮だった。

「母さんは教えてくれたんだよ、父さんに。何を読んでるのか。 そこからだよ、よくここに来るのか?とか、何を注文したのか?とかを色々聞いてね」

「そうだったのね」

 お父様は積極的な人だったのね。お父様からお母様に、色々聞いていたなんて。

「母さんはとても優しい人でな。俺が服にコーヒーを溢した時も、自分のハンカチを貸してくれたんだ」

「ハンカチを?優しいのね」

「そうなんだよ。クリーニングに出して返すと言ったら゙返さなくてもいいですよ゙と言ってくれてね。……だから父さんは、母さんにそのお礼に゙デートをしてくれないか?゙とお願いしたんだ」

 そうなの……。お父様とお母様は、それがきっかけで結婚したんだ。

「母さんばいいですよ、ではデートしましょゔと言ってくれてね。それで父さんと母さんは、デートすることになったんだ」

「素敵なお話ね、お父様」

「だろ? 二回目のデートの時、父さんは母さんにプロポーズした」

 え、二回目のデートで?
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