【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「二回目のデートで、プロポーズを……?」

「ああ、恥ずかしながら……その時にはもう母さんのことを好きになっていたからね。このまま会えなくなるのは、イヤだなと思ったんだ」

 お父様の話を聞いて、お父様は亡くなったお母様のことを、今でも愛しているのだと感じた。
 お父様のお母様に対する愛情は、今でも何も変わってないんだなと思って、安心した。

「……お父様は今でも、お母様のことを愛しているのね」

「ああ。愛しているよ、今でもずっと。……母さんのことは、これからも忘れないよ」

 お父様はお母様のことを愛している。 だから、再婚も考えていないんだな。
 お父様が幸せになるためなら、再婚もいいと思ってはいたけど、そうじゃなかった。

 お父様はずっと、お母様のことが忘れられないんだ。……お母様のことを、本当に愛していたから。

「お父様……お母様と出会ってくれて、ありがとう。わたしをこの世界に残してくれて、ありがとう。……わたしもお父様とお母様のこと、愛しているわ」

 だからわたしは、幸せになりたい。 お父様とお母様みたいに、お互いを思い合えるような人と結婚して、幸せになりたい。
< 128 / 164 >

この作品をシェア

pagetop