【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「父さんも愛しているよ、カルティナ。お前は父さんの大切な娘だよ」

「ありがとう、お父様」

 お父様は本当に優しくてし、父としてちゃんとわたしのことを守ってくれた。 音楽家の兄が世界を飛び回っていて家にいることが少ない分、わたしにとても愛情を注いでくれた。
 時にはわたしに厳しくもしたけど、それはお父様がわたしを思ってのことだと分かっているから、わたしはお父様に感謝している。

 お母様がいなくなってからは、家政婦のマロミさんが母親代わりになってくれた。 美味しい料理を作ってくれて、わたしを散歩に連れてってくれたりもした。
 お母様がいなくなってとても寂しかったけど、マロミさんがわたしのそばにいてくれるから、いつしか寂しさもなくなった。

 マロミさんやお父様と過ごす時間は、本当に家族みたいに思えて、なんだか幸せだなと感じる。
 マロミさんがお母様ならいいのに、なんて考えたこともあったけど……。マロミさんはわたしに大切なものを教えてくれた。

 【家族】という幸せなものを教えてくれたから、わたしは幸せに生きてこられた。
 マロミさんにも、お父様にも、そして三人の王子様にもとても感謝している。
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