【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
頭を打っていたこともあり、目を覚ました後はレイリア王国にある総合病院にて脳の検査なども行った。
しかし脳にも体にも、他には異常はなかったため、翌日にはわたしは退院出来ることになった。
「命に別状がなくて本当に良かったな、カルティナ」
「はい。……ご心配をおかけしてすみませんでした、お父様」
「いいんだよ、お前が無事ならそれで」
お父様はその日、すごく心配そうにわたしを抱きしめた。
「……お父様、ごめんなさい」
「いいんだよ、カルティナ。無事で良かった」
お父様に心配をかけてしまったこともそうだけど、自分が死ぬかもしれないと思った時、わたしは咄嗟にお父様のことを思い出していた。
お父様ともっと色々なお話をしたかった、お父様と一緒にお出かけをしたかった。
色々なことを考えていたけど、こうして生きているだけで、ありがたいとさえ思えたのもまた事実だ。
「お父様……あの、あの三人のことなんだけど」
「婚約者、のことだね?」
「はい。……わたしはあの三人の中の誰かと、結婚しなくてはならないの?」
そうお父様に問いかけると、お父様は「そうだ」とだけ答えた。