【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「……あ、ご、ごめんなさい!」
  
 やだ!わたしったら、つい……!

「カルティナ姫」

「は、はい……っん!?」

 だけど今度はカルナさんに引き寄せられ、わたしはその唇を奪われていた。

「っ……カル、ナさん……」

 今度はカルナさんと、キスをしてしまった。三人の王子様との二回目のキスは、ほのかに甘い香りがした。

「すみません、あなたが可愛くてつい……」

「あ、いえ……そのっ……」

 キスされたら、心がもっと掴まれた気がした。 普段優しいカルナさんが、ちょっとだけ強引になる瞬間だったから。
  
「でもあなたからキスをしてくれるなんて、嬉しかったですよ」

「そう、ですか……?」

「はい。カルティナ姫って、意外と肉食だったのですね」

 カルナさんはちょっとだけ嬉しそうに笑いながら、そう言っていた。

「そ、そ、そんなことないです……!」 

 と慌てて否定するも、カルナさんは「照れなくていいですよ、カルティナ姫」と言ってきた。

「……っ」

 は、恥ずかしい……。恥ずかしすぎる。 わたしったら、本当になんてことを!

「ここが部屋にあったら、あなたを押し倒していたかもしれません」
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