【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 と、笑顔を向けながら言われた。

「へっ!? お、押し……!?」

「冗談ですよ」

「な、なんだ冗談ですか……」

 でもわたし、本当にビックリした……。カルナさんの男らしさが、全面に出ていた気がしたから。

「でも正直に言うと、僕は今すぐにでもあなたを抱きたいと思っています」

「……え?」

 だ、抱きたっ……!?

「でもあなたを襲うようなことはしませんので、ご安心を」

 か、カルナさん……!今の言葉は、心臓に悪いよ……!

「あなたと結婚出来た暁には、あなたを一生愛し続けると約束します」

「……はい」

 カルナさんの新たな一面を見た気がした。でもわたしは、みんなのそういう所も含めて知りたいと思うのかもしれないな、と思った。

「ではカルティナ姫、何か食べに行きましょうか」

「え?」

「お腹空きませんか?」

 そう言われれば……。

「……確かに、空きました」

 そんなわたしに、カルナさんは「では美味しい物、食べに行きましょうか」と、わたしの手を優しく取ってくれた。

「はい」

 カルナさんの手は大きくて温かい。そしてその温もりが心地よい。
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