【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「カルティナ姫は、もう誰と結婚するかなんとなく決めているのですか?」

「え?」

 カルナさんからそう聞かれたわたしは、なんとなく答えることが出来なかった。
 ーーー実はもう、なんとなくは決まってはいる。 けど本当にみんないい人たちだから、迷っているのは確かだ。

「いえ、答えたくないですよね、こんなこと」

「……正直に言うと、決まってないと言えばウソになります」

「そうですか」

 でも本当に、本当に迷っているの。わたしは誰と結婚しても、あの三人なら幸せにしてくれると信じているから。

「だからこそ、真剣に決めたいんです。……でもそうしたら、わたしは残りの皆さんを傷付けてしまうのではないかと、不安にもなります」

 そう言うとカルナさんは、わたしに優しく「僕たちはあなたが誰を選んでも、その幸せを応援します。傷付けてしまうなんて、そんなこと考えないでください」と言ってくれる。
 
「どうして、カルナさんはそんなに優しいのですか……?」

 そう聞くとカルナさんは「姫の幸せを願うことが、僕たちの一番の幸せだからですよ」と優しく答えを返してくれる。

「……はい」

 三人の王子様は、わたしにとって素敵な方たちだ。
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