【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 ルイトさんはわたしに「では、少々お待ちください」と微笑みかけると、そのままリビングからいなくなる。

 しかし大きなお屋敷だな。ここに三人で住んでるんだよね?
 三人で住むにも広いよね、ここ。家もそうだけど、こんなに広いと迷いそうだ。

 ここはマロミさんみたいな使用人の人はいないのかな? 確かに三人で住んでいるとは言っていたけど、使用人の人はいないのだろうか?
 でも見渡してもみたけど、それらしき人はいないようだ。

「カルティナ姫、お待たせ致しました」

「姫、待たせてすみません」

「待ってたよ、カルティナ姫」

 しばらくして、リビングに三人が集まった。

 ルイトさんはわたしに「お待たせしました。美味しいお茶、お持ちしました」と、目の前で紅茶を淹れてくれる。

「ありがとうございます」

「こちらクッキーもお持ちしましたので、良ければ召し上がってください」

「わぁ……。美味しそう」

 美味しそうなクッキーまで用意してくれているなんて、本当に紳士な人だなルイトさんは。

「紅茶のおかわりもありますので、ご希望でしたらお声掛けくださいね」

「ありがとうございます」

 や、優しい。
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