【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 アレンさんのその優しい微笑みは、ずっと変わらないといいなと思う。

「カルティナ姫、カルティナ姫を好きになれて良かったです。この先もカルティナの幸せを、ずっと願っています」

「俺も、カルティナ姫の幸せだけを願ってるよ」

 カルナさんとアレンさんのその言葉に、わたしは「ありがとうございます、二人とも」と返事をした。

「じゃあ僕たちはもう抜けるから、後は二人で話したら?」

「そうだな。 ルイト、カルティナ姫のことよろしく頼んだ」

 二人はそう言うと、わたしたちの前からいなくなった。

「姫、少し外に出ませんか?」

「はい」

 わたしはルイトさんに連れられ、屋敷の外へと出る。

「キレイな花、ですね」

「キレイですよね。 実はこれ、僕が育ててるんですよ」

「ルイトさんが?」

 ルイトさん、花を育ててたんだ……。

「ええ。 実は僕、これをあなたに花束にして送るつもりだったんです」

「……え?」

 花束にして、わたしに……?

「僕はあなたに似合いそうな花を探して、育てていたんです。……あなたのためだけの、特別な花を」

 わたしのためだけの、特別な花……?

「花、美しいでしょ?姫」

「……はい。すごくキレイです」
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