【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「カルティナ姫は覚えていないかも、しれませんが……」

 と、ルイトさんは話し始めた。

「……え?」

「十年前、僕はあなたに出会っています」

「十年……前?」

 わたしたちが十年前に会っているって……。一体どういうことだろう?

「はい、僕は当時十二歳でした。 十二歳の僕は、住んでいた故郷で身寄りもなく、故郷にある児童養護施設で育てられていました」

 え……? 児童養護施設で……?

「僕には両親がいません。 僕は捨て子なのです」

「……え?」

 わたしはそこで、ルイトさんの悲しい過去を聞いてしまったーーー。

「僕の両親が誰なのか、僕自身も分かりません。……ただ生まれたばかりの僕は、児童養護施設の前に置き去りにされていた、ということを十二歳になった時に聞きました」

「……そうなんですか」

 まさかルイトさんが捨て子、だったなんて……。
 その事実を聞いたわたしは、何も言えなかったーーー。

「その時です。僕があなたに出会ったのは」

「……え?」

「僕は十二歳になってすぐ、あなたが僕の故郷ではるシアノア島にやってきたのですよ」

 シアノア島……?
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