【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
本物っていうのが、何なのか……。わたしにはまだ想像でしかないけど、何となくは分かる。
「あの三人は、みんなお前を大切にしてくれるであろう婚約者候補たちだ。何も心配することはないよ、カルティナ」
そう言って微笑みを浮かべるお父様は「じゃ、わたしは用事があるから出かけてくるよ。今日はもう、ゆっくり休んでいなさい」と言って玄関の方へと歩いていった。
みんなわたしを大切にしてくれるであろう、三人の王子たち。
わたしはそんな三人の中から、結婚相手を選ぶことは出来るのだろうか……。
そもそも結婚相手を選ぶのに、どうしてこんなに苦労しなくてはならないのかも、わたしには謎でしかない。
「ルイトさん……。カルナさん……。アレンさん……」
わたしが三人の中から結婚相手を選ぶとしたら、誰なのだろうか……。
みんな顔立ちはもちろん、性格も体型も考え方も違う三人なのは間違いない。
「……難しいって、そんなの」
三人の中から一人だけを選ぶなんて……。
「やっぱりわたしには、荷が重いわ……」
三人の王子様は、みんなそれぞれ魅力がある訳であって……。
難しい選択に、なりそうな予感がする。