【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
ライナ王国の人たちは、レイリア王国への立ち入りを禁止されていたと。
もしそれを破ってしまった者は……公開処刑されると聞いたことがある。
「僕はライナ王国で生まれて、ライナ王国で育ちました。僕が生まれた頃は、その分断もあまりなくなり平和な感じになっていましたが……。今もその風習は、所々残っている時があります」
カルナさんはそう言うと、わたしに「……すみません、せっかくのデートなのにこんな話をしてしまって」と笑った。
「いえ、話してくれてありがとうございます。……わたしもカルナさんのこと、もっと知りたいと思っているので」
と話すと、カルナさんは「それは嬉しいお言葉です。ありがとうございます、カルティナ姫」と笑ってくれた。
「姫、お腹空きませんか?」
「……確かに。空いてきますね」
「では、あちらで美味しい物を食べましょう」
「はい」
わたしたちは、美味しそうな食べ物がズラリと並ぶ市場の方へと向かった。
「うわ、すみません……」
「姫、危ないので僕の服を掴んでいてください」
カルナさんは人混みの中で、わたしを優しくリードしてくれる。