【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
第四章 婚約者候補③アレン


「カルティナ」

「はい。何でしょうか?お父様」
  
 その日の夜、帰ってきたお父様はわたしを見て嬉しそうに笑っていた。

「カルナくんとのデートは、どうだったんだ?」

 やっぱりお父様は、それを聞きたかったみたいだ。

「どうだったんだって、言われても……」

「何だ、楽しくなかったのか?」

 とお父様は聞いてきた。

「い、いえ、そんなことありません。 今日はカルナさんと一緒に、サーカスを見に行きました」

「サーカスか。それはいいな、楽しそうだ」

「楽しかったですよ。……なんだか昔のことを、思い出しました」

 そう伝えるとお父様は「昔のこと?」と不思議そうに聞いてくる。

「はい。お父様とお母様と見に行ったサーカスを思い出して、懐かしくなりました」

「サーカスか。……懐かしいな、本当に」

「はい」

 お父様だってきっと、お母様のことをまだ想っているはずだ。 お父様とお母様は、本当に仲が良くて、周りから見ても本当に仲良し夫婦だったから。

「カルティナ、くれぐれも相手方に失礼のないようにな」

「分かっています、お父様」

 もう、お父様ったら……。
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