【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「さすがわたしの娘だ」
「……あの、お父様」
「何だ?」
わたしはずっと気になっていたことを、お父様に聞いてみることにした。
「お父様は、あの三人のことを詳しいのですか?」
お父様が選んだ人、ということだけは分かるけれど……。
あの三人の中から一人を選ばなければならないという状況の中で、わたしには一人だけを選ぶなんて出来るのだろうか……。
「詳しいという程ではない。……が、ある程度は調べているよ、もちろん」
「そうなのね」
「みんないい人たちだ。ゆっくり時間をかけて、選ぶといい」
お父様はそう言うと、部屋へと戻っていった。
「ゆっくり時間をかけて……か」
わたしはまだ、結婚するつもりはないのだけれど……。ただそれがレイリア王国のルールだということは、わたしにも分かっている。
だからこそ、幸せになるためにわたしはあの三人の中から一人を選ぶしかない。
もちろん、レイリア王国にいる他のお姫様たちは、みんな結婚して子供を産んでいる。
そして家族として、王子や子供たちと幸せになっている人が多い。 わたしもその中の一人になるんだ……。