【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「今日は風が強いですね、姫」
「そ、そうですね」
「でもカルティナ姫からは、すごくいいニオイがします」
アレンさんはそう言いながら、ニコリと笑っていた。
「えっ!? そ、そうですか?」
いきなりそんなことを言われたものだから、わたしは驚いてしまった。
「はい。甘くて爽やかな香りがします」
「そ、そうですか……?」
いいニオイがすると言われたのは初めてだから、どんな反応したらいいのか分からない。
「カルティナ姫の香り、好きです」
「へっ!?」
かと思ったら今度は【好き】と言われてしまい、再び困惑してしまうわたしであった。
「僕は今日一日、あなたが幸せな気持ちになれるように努力致します。 なのでやりたいこととか、したみたいこととかあれば、何でも言ってくださいね」
「……は、はい」
アレンさんは今日一日、わたしのために時間を使ってくれるとのことで、わたしがしたいことを叶えてくれると言ってくれた。
デートの数日前、アレンさんから【カルティナ姫、姫が今やりたいこととかはありますか?】と聞かれたのだけど、その時は特に思い付かなった。