【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「姫はまず、何をしたいですか?」
そう聞かれてわたしは「わたし……まずはアレンさんの好きなものを、食べに行きたいです」と答えた。
「え?僕の好きなもの……ですか?」
そう伝えたからか、アレンさんは驚いたような表情を見せた。
「はい。アレンさんの好きな食べ物があれば、それを食べに行きたいです」
「でも、よろしいのですか?」
「はい。アレンさんの好きなものは、なんですか?」
そう聞くとアレンさんは「そうですね。 僕は昔から、ミートパイが好きなんです」と教えてくれた。
「ミートパイ?」
「はい。ヨーラ国では、ミートパイが有名なんです」
「へえ……。そうなんですか」
ミートパイが好きなのか、アレンさんは。
「じゃあミートパイ、食べに行きましょう。アレンさん」
「本当にいいのですか?」
「はい。わたしもミートパイ、好きですから」
アレンさんの好きなものを知ることで、わたしもアレンさんとの距離を少しずつ縮められそうな気がするから。
「レイリア王国にも、ミートパイが美味しいお店があるんですよ? 今からそこに行きましょう」
「では、遠慮なく」