【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「恐れ入ります」

「ねぇマロミさん、明後日あの三人と食事会をするんだけど……。今日みたいに美味しいパンを焼いてくれないかしら?」

 マロミさんのパンは、どこぞのパン屋さんにも負けないくらい美味しいパンだから、自慢出来る。
 三人にも食べさせてあげたいなって思った。

「ええ、構いませんよ。わたしみたいなので良ければ、焼いて差し上げますよ?」

「本当に? ありがとう、マロミさん」

 マロミさんって本当に優しいし、親しみがあるな。 マロミさんにはいつも感謝している。
 わたしの部屋もキレイに掃除してくれるから、いつもキレイで。

 それにわたしの部屋から見える、大きな桜の木のお世話もしてくれるから、春になるとキレイな桜が咲くのがものすごく楽しみなんだ。

 これが出来るのも、マロミさんのおかげだ。
 マロミさんがいないと、わたしたちは何も出来ないみたい。

「すまないね、マロミさん」

 とお父様が伝えると、マロミさんは「いいえ。婚約者様との大事な食事会とあらば、このマロミの腕の見せ所ですし。全力で頑張らせて頂きます」と明るく言ってくれる。

 さすがマロミさん、ありがとう!
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