【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
第七章 縮む距離
「お父様、おかえりなさい」
「お、カルティナ。 どうだった?三人との食事会は?」
その日の夜、帰ってきたお父様はわたしにそう話しかけてくる。
「ええ、楽しかったわ。みんなとても美味しそうに食べてくれたし」
「そうか。良かったな」
「はい。 お父様のおかげです、ありがとう」
お父様にお礼を伝えたわたしは「あ、そうだわ!お父様の分もチーズケーキも用意したの。良かったら食べてね」とさらに伝えた。
「チーズケーキ? カルティナが作ったのか?」
「そうよ。マロミさんから作り方を教わったの」
お父様はわたしのその言葉に「そうか。カルティナが作ったのか……。ではいただこうかな」と嬉しそうに話した。
「食べて。すごく美味しいのよ、マロミさんのチーズケーキ。 あの三人にも好評だったのよ?みんなも美味しいと食べてくれたの」
「それは良かった。 じゃあチーズケーキ、持ってきてもらうか」
「じゃあわたしが持っていってあげるわ」
「おお、そうか」
わたしはキッチンに行き、冷蔵庫から残っていたチーズケーキを取り出し、紅茶を淹れてお父様の部屋に運んだ。