【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「お父様、入ってもいいかしら?」
「ああ」
お父様の部屋に入ると、チーズケーキと紅茶をお父様の目の前に置く。
「はい。チーズケーキと、チーズケーキに合う紅茶を持ってきたわ」
「ああ、ありがとうカルティナ」
お父様は、読んでいた資料の束を一度テーブルに置いた。
「……ねぇお父様、大丈夫なの?」
お父様は最近仕事が忙しいのか、帰ってくるのが遅いから、心配になってしまう。
「ん?何がだ?」
「仕事よ。 お父様は毎日帰りが遅いみたいだから、とても心配だわ」
紅茶をカップに注ぎながらそう伝えると、お父様は「大丈夫だよ。無理はしてないから」と答えた。
「お父様、身体には本当に気を付けてよ? お父様は夕飯を食べない時もあるって、マロミさんも言っていたの。心配してたわよ」
お父様にはずっと元気でいてほしい。健康で明るくいてほしい。
「心配かけてすまない、カルティナ。 でも父さんは大丈夫だよ」
「そう?……まあくれぐれも、無理だけはしないでね。身体、ちゃんと大切にしてよ」
「分かってるよ。 チーズケーキ、頂くよ」
「どうぞ」
お父様はチーズケーキに手を伸ばす。