【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「姫様、今日はお出かけなさるんですよね?」

「ええ。今日は出かけてくるわ」

 朝ご飯を食べながら、マロミさんにそう答える。

 今日はルイトさんと再び出かける約束をしている。これがルイトさんとの、三度目のデートだ。
 きっとまた、楽しいデートになるだろう。 ルイトさんは本当に、わたしを楽しませてくれようとしてくれるから。

「マロミさん、今日お父様は?」

「朝早く出掛けられましたよ? 何でも、打ち合わせがあるそうで」

「そうなの」

 お父様はまた最近、忙しくしている。帰りも遅い時が多いし、身体が心配だ。
 
「お父様、ちゃんと食事は取ってる?」

「食べてくれる時もありますが、食べない時もありますね」

 マロミさんの食事を食べないだなんて、お父様ったらもったいないことをするわ。 こんなに美味しい食事を食べないなんて……。

「お父様に、ちゃんと食べないとダメよと伝えておくわね」

「ありがとうございます」

 食事を終えたわたしは、マロミさんに「ごちそうさま。美味しかったわ」と伝え、一旦部屋に戻る。

「さて、用意しないと……」

 今からデート、だもの。
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