【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「このバスはフラワーパーク行きが最終なんですよ」

「そうなんですか」

「フラワーパークは僕も昔、一度両親と行ったことがありますが、とてもキレイだった記憶があります」

 バスに揺られながらの景色を眺めながら、ルイトさんはそう言っている。

「カルティナ姫ともぜひ一度、行ってみたいなと思ってたんです」

「そうでしたか。ますます気になりますね」

「きっと楽しめると思いますよ」

 ルイトさんは嬉しそうに笑っている。

「はい」

 バス停からフラワーパークまではバスで約二十五分くらいだった。 目的地に到着したわたしたちは、バスに電子マネーをかざしてバスを降りた。

「えっ、すごい!」

 バスを降りた目の前には、キレイな花のアーチが現れていた。

「キレイ……!」

 花のアーチ、とても素敵……! そして可愛い!

「そうそう、これですよこれ。……間違いなく、ここです」

「ルイトさん、すごいですね! すっごく広そうです」

 アーチの大きさを見ると、中は相当広いのではないかと思える。

「では、早速行きましょうか」

「はい」

 ルイトさんはわたしに、優しく微笑みかける。
< 98 / 164 >

この作品をシェア

pagetop