【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
「このバスはフラワーパーク行きが最終なんですよ」
「そうなんですか」
「フラワーパークは僕も昔、一度両親と行ったことがありますが、とてもキレイだった記憶があります」
バスに揺られながらの景色を眺めながら、ルイトさんはそう言っている。
「カルティナ姫ともぜひ一度、行ってみたいなと思ってたんです」
「そうでしたか。ますます気になりますね」
「きっと楽しめると思いますよ」
ルイトさんは嬉しそうに笑っている。
「はい」
バス停からフラワーパークまではバスで約二十五分くらいだった。 目的地に到着したわたしたちは、バスに電子マネーをかざしてバスを降りた。
「えっ、すごい!」
バスを降りた目の前には、キレイな花のアーチが現れていた。
「キレイ……!」
花のアーチ、とても素敵……! そして可愛い!
「そうそう、これですよこれ。……間違いなく、ここです」
「ルイトさん、すごいですね! すっごく広そうです」
アーチの大きさを見ると、中は相当広いのではないかと思える。
「では、早速行きましょうか」
「はい」
ルイトさんはわたしに、優しく微笑みかける。