heartbreak secret room 森村医師の2月14日は・・・?


「ちょっと待て!・・・あの書き方って・・やっぱり食ったな?」

『うひゃ~、なんでバレたの?』

「大体、蝶々結びが逆なんだよ。伶菜は元々両利きで、結び方は左利きの人間が結ぶのと同じだからな。」


うわ~
そんなコト、知らんかった
蝶々結びが右利きのオレと逆の結び方だったなんて・・・
縫合する時の結び方をしないように気をつけるレベルの話じゃね~な

ということは・・・


『もしかして、メロンパンの数が足りないと思う前に異変を感じてた?』

「当然。」

『ウソ~?!』

「本当。」



なんなんだ、この男
どれだけレイナのことを知り尽くしているんだ?


「美味かっただろ?伶菜の手作りは・・・」

『・・・・美味かったです。サクサクしていて・・・・』

「そうか、美味かったか・・・」


再びオレの体が凍ってしまいそうな冷たい視線に晒された。
どう収拾をつけたらいいのかわからないぐらい頭を悩ませかけた時にオレに視界に入った1つの小さな箱。



『ハイ・・・・・よろしかったら、日詠ぶちょおも食べます?』

「お前も貰ったの?」

『レイナからのものじゃないですけど・・・』


差し出したのは、ついさっき、オレの患者の・・・まりん6さいから貰った箱。

レイナ以外の人の事にあまり興味を示さない日詠サンも
包装紙が子供向けのものであったり、包み方が少しズレ気味なその箱から何かを感じ取ったのか

「へぇ・・・・誰から?」

それを持ち上げて様々な方向から見つめていた。


『・・・まりん、6さい。』

「森村・・・とうとう未就学児に手、出したのか?・・・それは許されないぞ。」


レイナとの間に生まれた長女の陽菜にもメロメロなこの人にとっては未就学女児に手を出す・・・とかは、決して放ってはおけない事柄だろう
日頃から“陽菜は絶対、嫁には出さん!”と口にしているぐらいだしな~


おまけに“森村みたいな男には絶対に捕まらないようにしろ”って陽菜に言い聞かせているぐらいだし

それにしても、オレってこの人の中で
どういう扱いなんだ?


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