それでも、この世界で生きていて。
「人数多いと、正直苦手な人も入ってくるから嫌だよね」

と、姫奈ちゃん。

「う〜ん…そうだよね」

立場上(学級委員)、一人を批判するようなことは言えない。なので、かなり言いたいことを抑えてオブラートに包んで発言する。

「てか、葵ちゃんも葵ちゃんだよね。あ、あと、葵ちゃんには、こういうこといちゃだめだよ。愚痴った人のことを本人にチクるからあの子」

…結構怒ってる、姫奈ちゃん。でも、わかる。

「そうだよね〜。まあ、悪気はないんだろうけどね」

そういうと、姫奈ちゃんは微妙な、なんともいえないというような顔をする。

「…なんか、甘くない?」

失礼な。私は至って通常運転です。

「そんなことないって。でも、強いていうなら、他にもっと怒ってる人がいたら、他の人は割とどーでも良くなるよ」

もう無理だ。我慢できない。

そこから、私はももこちゃんのことでたまった鬱憤をぶちまけた。

「…なんか、キャラ変わってる」

と、少し引かれたが、みなかったことにしよう。そこで、チャイムがなったので、私はおとなしく席につき、数学の教科書を開いた。
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop