それでも、この世界で生きていて。
キーンコーンカーンコーン。
「やったー!昼休みだー!」
と、思わず叫んでしまうと、隣の席の酒井が呆れたような目線を送ってくる。
「…お前、それでも委員長なのかよ…」
私は少しムッとして、しっかり切り返す。
「私は人望があるからね!前期は自己中だけど、私は違うからね!」
前期というのは、1学期から2学期の初めにかけて学級委員をしていた人を「前期学級委員」、私ともう1人の今の学級委員の2人を「後期企画委員」というのだ。
少し嫌味を混ぜつつ、言い返すと、酒井の目線が少しそれた。
「確かに前期は先になんでも決めて、俺らはそれを実現させるための道具みたいになってたけどよ、お前に人望あんのかよ?」
「失礼な!」
おっと、思わず心の声が…
「それよりさ、あいつを大人しくさせてよ。うるせえんだけど」
「あいつ?」
彼の視線を追うと、そこには目をハートにして1人の男子を見つめる姫奈とそれを冷めた目で見つめる日菜子の姿があった。
…おぅ。でも、私の手にも追えなさそうですぞ。
「姫奈。まだみてんの?」
そう声をかけると、彼女は私の二の腕をつかんでジリジリとその男子に近づいていった。
「…ドンマイ、初」
と、日菜子がつぶやいたので、軽く睨んでおきながら、姫奈の華奢な姿からは思いもよらないほどの力で私を引っ張っていった。
そして、姫奈が想いを寄せる相手ー岡部優心の横を通り過ぎる、と…
「…かっこいい〜!」
また、目をハートにしてニコニコ満足げな彼女だ。
「いいの?彼女持ちで、それでもって顔はイマイチで、性格クズって聞くけど」
ボロクソに言ってやると、姫奈は苦笑いしながらいった。
「いいの。それに、知らないうちに好きになってたし、しょうがないの〜」
…ダメだな。もう、完全に恋する乙女だ。
どうせなら、村上樹にすればいいのに。村上樹は、顔も性格もそこそこなのだ。
でも、それをいうと、どこか残念な子を見るような目で、
「そんなこと、できるわけないでしょ。勝率ないし」
と、言われた。岡部の方が、確率はないと思う。と、私は思う。
「やったー!昼休みだー!」
と、思わず叫んでしまうと、隣の席の酒井が呆れたような目線を送ってくる。
「…お前、それでも委員長なのかよ…」
私は少しムッとして、しっかり切り返す。
「私は人望があるからね!前期は自己中だけど、私は違うからね!」
前期というのは、1学期から2学期の初めにかけて学級委員をしていた人を「前期学級委員」、私ともう1人の今の学級委員の2人を「後期企画委員」というのだ。
少し嫌味を混ぜつつ、言い返すと、酒井の目線が少しそれた。
「確かに前期は先になんでも決めて、俺らはそれを実現させるための道具みたいになってたけどよ、お前に人望あんのかよ?」
「失礼な!」
おっと、思わず心の声が…
「それよりさ、あいつを大人しくさせてよ。うるせえんだけど」
「あいつ?」
彼の視線を追うと、そこには目をハートにして1人の男子を見つめる姫奈とそれを冷めた目で見つめる日菜子の姿があった。
…おぅ。でも、私の手にも追えなさそうですぞ。
「姫奈。まだみてんの?」
そう声をかけると、彼女は私の二の腕をつかんでジリジリとその男子に近づいていった。
「…ドンマイ、初」
と、日菜子がつぶやいたので、軽く睨んでおきながら、姫奈の華奢な姿からは思いもよらないほどの力で私を引っ張っていった。
そして、姫奈が想いを寄せる相手ー岡部優心の横を通り過ぎる、と…
「…かっこいい〜!」
また、目をハートにしてニコニコ満足げな彼女だ。
「いいの?彼女持ちで、それでもって顔はイマイチで、性格クズって聞くけど」
ボロクソに言ってやると、姫奈は苦笑いしながらいった。
「いいの。それに、知らないうちに好きになってたし、しょうがないの〜」
…ダメだな。もう、完全に恋する乙女だ。
どうせなら、村上樹にすればいいのに。村上樹は、顔も性格もそこそこなのだ。
でも、それをいうと、どこか残念な子を見るような目で、
「そんなこと、できるわけないでしょ。勝率ないし」
と、言われた。岡部の方が、確率はないと思う。と、私は思う。