冷え切った皮膚でも抱いといて
 完全に出来上がっている同級生に謝罪の言葉を遮られた上に、なぜか首筋の匂いを嗅がれていて。気持ちいい、いい匂いする、などと酔っているとは言えパーソナルスペースにずかずかと踏み込んでくる彼を、ごめん神崎、タオル、俺のバッグに、と言いながら大慌てで引き離そうとするも、これがビクともしなかった。

 酒で調子に乗っている同級生は、秋月冷たい、腰細い、折れそう、女みたい、でも俺と同じのちゃんとあるんだよな、考えただけで興奮する。好き放題言いながらどさくさに紛れて服の中に手を入れてきた。体温が低いせいで熱く感じる手で横腹を撫でられ、くすぐったさに体がビクッと反応する。視線の先には神崎がいるのに。感情の読み取れない目で、俺に濡らされた服を拭きもせずにこちらを見ているのに。俺は誰に何をされて。

 手のひら全体を肌に這わせるように触れてくる酔っ払いは、俺をがっしりと捕まえたまま首筋を舌先でほんの少し、ちょんと突く程度に軽く触れた。その行動に、あ、な、何、して、と動揺するように反応してしまったら、それが引き金となってしまったのか、酔った其奴は本気になるように力任せに俺を押し倒し、怖いほどにギラついた目を向けて跨った。

「おい、あそこなんかしてんぞ」

「秋月酔っ払いに襲われてんだけどウケる」

「ねー、俺らも混ぜて」

「みんな飲み過ぎだから」

「あんたも飲み過ぎなんだわ」

「私は酔ってないからー」

「酔ってる人ほどそういうこと言うんだよ」

「秋月、混ぜて」

「馬鹿、何Pすんだよ」
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